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アイツらは……。
「アイツは強い……。正直、俺達でも勝てないと思う」
龍牙が再び話し始めたことにより、思考を中断してそっちに視線を移す。
「だからって諦めるつもりはないけどな。
……でも、もし俺達が負けたら……お前が皐月を守ってくれ。頼んだぞ」
そう言って龍牙は俺の背中を押して如月達の所へ行かせようとする。
「えっ?お、おい……」
「そろそろ架神が危ないな……。それじゃ、任せたぞ!」
「龍牙っ!」
俺の話も聞かずに走り出した龍牙。
伸ばしかけた手は途中で止まり、力無く垂れた。
「バカ野郎……」
ポツリと呟いた後、俺は気持ちを切り替えて如月達の所へ歩き出す。
よく考えれば重大な仕事を任されたってことだよな。
わかったよ、龍牙。絶対に守る。如月も……お前も。そして架神も。
「神城……」
そして3人の所に着くと、真っ先に如月が不安そうな声を漏らしながら俺を見る。
「大丈夫。俺がみんなを守るから」
根拠なんてない。強いて言うなら俺の……コードの力。
でも、如月の顔からわずかに不安が消えたのを見ると、残った1本の刀を握る手に力が入った。
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