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「神城……本当なのか?本当に架神さんを助けられるのか?」
一方、如月の隣に立つ男子は期待と疑いの目で俺を見据えてくる。
そりゃそうだろうな。新入生で実力もわからない初対面のヤツを信じろって方が無理がある……。
でも、
「何もしようとしないヤツより、何かしようとするヤツの方が信じられるだろ?」
「っ!」
一瞬驚いて何かを言いたそうに口を開いた男子だが、それは肩に置かれた手によって遮られた。
「御影さん……」
代わって、男子の横から前に出てきた御影と呼ばれた女子。
「わかった。あなたを信じる。だから……冬魔をよろしく」
俺は彼女の頼みに一度頷いてから龍牙達の方を向く。
男を挟んで左右から攻撃を仕掛ける龍牙と架神。
一見すると2人が優勢に見えるが、実は劣勢。
龍牙達の攻撃は男に当たらず、逆に男につけられた切り傷が目立つからだ。
俺はゆっくりと如月達と男との中間まで移動して刀を逆手に握った。
ここならギリギリか……。
上手くいくかわからないけど、やってみるしかないだろう。
そう思った矢先、架神が体勢を崩して膝をついた。
男がそれを見逃すはずもなく、振り上げられた剣が煌めく。
――今だっ!
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