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肘を曲げ、腕を引いて槍投げのような構えをとる。
そして一度ステップして助走をつけ、男の胴体めがけて思いっきり刀を投げた。
それはまるで矢が放たれたように回転することなく男に向かっていく。
これには自分でもビックリだ。まさかこんなにキレイに投げれるなんて……。
しかし、現実はそううまくいかないらしい。
俺が投げた刀は、緩い放物線を描きながら落下し始めた。
やっぱりギリギリか……。頼む、届いてくれ!
願いは……叶った。
男にとって俺の攻撃は予想外だったのか回避が遅れ、刀は男の太股に突き刺さる。
更にその痛みで振り下ろしていた剣閃が鈍り、架神も無事に攻撃を受け止めることができた。
「チィッ!」
安心するのも束の間、男は太股に刺さっていた俺の刀を抜くと架神に斬りかかろうとする。
ダメだ。この距離じゃ……!
「させるかよ!【豪炎弾】」
その時、男の後ろにいた龍牙が炎を放つ。
【炎弾】より二回り程大きい炎を。
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