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「……うっ……」
重い瞼をゆっくりと開く。
光が瞳に差し込み、眩しさのあまり思わず眉をしかめた。
――俺は……生きてるのか……?
同時に、今までの……特に最後の方の記憶が脳裏に蘇る。
途端、俺はベッドから飛び起きた。
…………ベッド?
「ここって……」
辺りを見回せば、白を基調とした部屋に置かれている小さな丸いテーブルや鉄パイプのイス。
そして今まで自分が寝ていた白いベッド。
更に、今俺が着ているのは青い病人服。
他に考えようがない。病室だった。
「ってことはあの後ここに運び込まれたわけか」
誰に話し掛けるでもなく独り呟きながら、刺された腹の傷を確かめる。
もちろんキレイに消えてましたよ、はい。
縫った後もないし、魔法ってスゴいね。
その時、何の前触れもなく扉が横に開いた。
「おっ、起きたのか」
それと共に入ってきた人物の顔を見て、俺は安堵の息を漏らす。
「よかった。無事だったんだな、龍牙」
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