きっかけ

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一体何が起こってるんだよ…… 次第に焦りはじめた俺はなんとか頭を働かせる。 そうだ!家に帰ろう!! そう思うや否や、俺は家に向かって走り出した。          * 家に着いた俺はドアを開けようとするが…… 「ドアが……開かない!?」 ドアが開くことはなかった。 「くそっ!!なんで!どうなってんだ!!」 「教えてやろうか?」 不意に後ろから低い声が聞こえた。 振り向くと、そこに立っていたのはフードを深く被った人影。 声からして男のようだが、顔はフードで見えない。 「あんた誰だ?これが何なのか知ってるのか?」 「あぁ知ってるさ。これは俺の魔法だからな」 男は不敵に笑い、“魔法”という言葉を発した。 「魔法?魔法なんてあるわけないだろ!!」 ばかばかしい! 俺は叫ぶように否定したが、男は相変わらず口元を吊り上げている。 「まぁ一般人ならそう思うのが普通だが、この状態を見たら嘘じゃないとわかるだろ?」 確かに……俺以外のものはすべて止まっているし……俺以外……? 「じゃあなんで俺は動けるんだ!!」  
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