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「ちゃんとした自己紹介はまだだったわね。私は御影 麗亜(みかげ れいあ)。冬魔の婚約者よ」
そう言った御影さんは、肩にかかっていた髪を手で払う。
へぇ~。架神の婚約者か……。
「……婚約者!?」
「そんなに驚くことはないでしょう。みんな知ってることよ」
いやいやいや、俺は知らなかったんだよ。
っていうか学生で婚約してるようなヤツなんて初めて見た……。
「次は俺だな」
俺が御影さんを見てると、割り込むように名前がわからない男子が前に出る。
目元がキリッとしてて、髪も黒く短い。いかにも優等生のお手本って感じだ。
「俺は東條 睦月(とうじょう むつき)。冬魔様の使用人であり、架神さんの弟子だ」
「弟子なんかにした覚えはない」
「え~。いいじゃないですか。俺に剣を教えてくださいよ」
「だから嫌だと言ってるだろう」
架神はホントに嫌そうな顔で断ってるが、東條もしぶとく食らい付く。
俺は茫然と、御影さんは呆れたように、その様子を見ていた。
ってか冬魔様と架神さんって同一人物だろ?
わざわざ呼び方を変える意味がわかんねぇ。使用人なら冬魔様でいいんじゃないのか?
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