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だから俺は慌てて御影さんの頭を上げさせる。
「頭を上げてくれ。アンタのような人が頭を下げちゃいけないだろ」
だってそうだろう?架神の婚約者ともなれば御影さんの家はそれなりの力を持ってるはずだ。
そんな家の人に一庶民の俺なんかが頭を下げられると気が引ける。
「でもあなたは敵の魔法を防いでくれもした。感謝するには十分よ」
ようやく頭を上げてくれた御影さん(東條も)を前に、俺は何も言えなくなった。
まぁ、今回は有り難く受け取るとしよう。
「話は終わったか?」
すると、今まで黙って話を聞いていた架神が話しかけてくる。
そういえばコイツは何をしに来たんだ?
「冬魔もあなたに話があるみたいなの」
俺の心でも読んだように御影さんがそう教えてくれた。
コイツが俺に……ねぇ。
「それで、話って何だ?」
単刀直入に尋ねると、架神は2人の方を向いて口を開く。
「麗亜、睦月。悪いが……」
「わかってるわよ。私達は外にいるからごゆっくり。
それじゃあ神城 光輝、また会いましょ」
「じゃあな、神城」
彼女なりの反抗なのか、少し不機嫌そうな表情で嫌味を残し、2人は病室を出ていった。
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