きっかけ

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「これは避けれるかな?」 男はニヤリと笑うと火球を連続して放ってきた。 「どわっ!」 なんとか避けてはいるが、数が数なのでキツい…… 「っ!」 そしてついに、火球の1つが制服を掠めた。 避けてばかりじゃ殺られる! そう思った俺は男に向かって駆け出す。 そして拳を握りしめ、男を殴った……はずだった。 「なっ!?」 「遅いな……」 俺の拳は男の手の中に握られている。 つまり止められたわけだ。 そして次の瞬間には、顎を打ち上げられて視界がグルンと回る。 そのまま地面に叩き付けられ、俺はうつ伏せのまま男を見ることしかできなかった。 「クックック……よく頑張ったけどそろそろ終わりにしようか……」 そう言った男の手には、先程のとは比べ物にならないぐらい大きな火球ができている。 ハハッ……死にたくねぇなぁ……まだやりたいことはあったのにな…… 「ハハハハッ……じゃあな。神城 光輝!」 口を大きく開けて笑う男の手は、しっかりと俺に向けられていた。 そして火球が男の手から放たれ、真っ直ぐ近付いてくる。 この後どうなるかを想像した俺は、ゆっくりと目を瞑った。  
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