きっかけ

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…………? しかしいつまで経っても火球がくる気配がない。 恐る恐る目を開けると、男は驚いた顔で俺を見ていた。 「なぜ貴様がここに……」 あれ?俺じゃない? 俺は男の目線の先……つまり自分の後ろを見ると、そこには黒いコートを着た男の人が立っていた。 「まさか貴様が来るとはな……降谷」 ……降谷? 男はさっきまでとは違い、冷静に降谷と呼ばれた男に話しかけた。 一方、降谷と呼ばれた黒コートの男は黙って俺に近付いてくる。 「間一髪だったな。大丈夫だったか?」 どこか安心するその声を聞いて、俺はようやく落ち着いてきた。 「はい。あなたは一体……」 「その話は後にしてくれ!」 降谷は再度男に向き直り、話しかけた。 「もうすぐ俺の仲間が来る。そうすれば流石のお前でも勝ち目はないぞ」  
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