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聞けば生前沖田さんは私の目を盗み、姉の元へと文を送り、後の面倒を見るように頼んであったそうだ。
そんなことを知るはずもない私は、その話を聞かされたとき、驚きに開いた口が塞がらず、少しの間呆然としていた。
『総司ね、本当にあなたのことを可愛がっていたわよ。
文にはいつもあなたのことが書かれてあったから』
ミツさんはそう言ってクスクスと笑みをこぼしていた。
『きっと‥‥あなたのことが、大好きだったのね』
と、まるであたたかな陽のような穏やかな声に、胸の奥がじわっと熱く、弾けそうになった。
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