*―-翡翠-―*

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  段々と細くなっていく彼の瞳を焼き付けるかのように眺める。 いつか共に、 歩める日は来るのだろうか。 どうか願いが叶うのなら争いも血もない苦しみの無い世界で。 そう。穏やかに時が流れる世界がいい。 「‥‥‥翠‥‥‥」 微かに動く口元。 「翡‥翠‥‥‥‥」 発せられるは私の名前。 そうやっていつでも笑って呼びかけてくれた。 「はい‥‥」 私は返事をする。 「ここにいますよ」 あなたは私のそばにいてくれたから、今度は私がそばにいてあなたを見送る。 あなたは一人じゃない。 だからどうか安心して下さい。 暖かい陽光の差す木漏れ日の中、差し込む光はまばゆく、その風景共々沖田さんを包み込んでいった。 そして沖田さんは、安堵の表情を浮かべその目を静かに閉じた。 それはいつかの縁側で眠るあの頃と変わりない穏やかな顔をしていた。 そして訪れた 耳が痛くなるような静寂。  
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