chapitre 2 許嫁ぇ!?

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6月30日 AM 9:20 ・・・痛い。 頭も痛むが、それ以上に右腕が痛い。 目を開けると、最初に映ったのは空でも天井でもなく、不機嫌そうな女の子の顔だった。 「・・・あら、やっと目を覚ます気になったのですね」 「・・・・・・はい?」 やけに怒りのような物を含んだ声だったため、思わず聞き返してしまった。 「貴方、気絶したふりをして私の身体を触ろうとしたって、そうは問屋が許しませんわよ?」 「・・・?」 身に覚えの無い事を言われても困るのだが・・・。 「いや、身に覚えの無い事を言われても困るんだけど・・・」 「とぼけても無駄ですわ!気絶していながら私の胸を掴むなんて・・・そんな事が出来ると思いまして?」 ・・・胸を、掴む? まあ、普通女の子がそんな事されたら怒るのは当然の事だろう。 「・・・身に覚えが無いのは本当なんだけど、やってたのなら謝るよ。悪かった・・・」 「・・・え?」 いや、そこで「え?」って聞き返されても困るんだけど・・・。 「ま、まあいいですわ。この事は水に流してあげましょう」 ・・・とりあえず、どうにかなったみたいだ。
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