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「そうですが・・・大家さんですか?」
「そうそう、大家さん。という事は、君が雨月宗君でいいのかな?」
「さっきそう答えましたけど・・・」
「え?ああ、こりゃ失礼しました。えーっと、鍵何処に入れたっけ・・・」
そう言って、ズボンのポケットをごそごそあさる。
途中Tシャツの中やズボンの中にまで手を入れていたが、まさか普段そんな所にまで物を入れてるわけじゃないでしょうね?
「・・・あったー。はい、302号室の鍵」
「302・・・何か不吉な感じがするんですが・・・気のせいですか?」
「気のせいよ。今までそこに住んでた人が部屋から出られなくなったとか、そういう事は全く無いから安心して。まあそれより、これからよろしくねー。あたしは101号室に住んでるから、何かあったら気軽に来てくれていいから。それじゃ後は303号室のカチューシャに聞きなさい。じゃねー」
・・・さりげなくとてつもないマシンガントークを繰り広げて、大家さんは何処かへ去ってしまった。
とりあえずここで立ち止まっていても仕方ないので、僕の住居となる302号室へ向かう事にした。
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