chapitre 1 始まり。

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「・・・カチューシャさん?」 僕の言葉に、目をぱちくりさせるカチューシャさん・・・とおぼしき人。 「・・・あれ、自己紹介しましたっけ?」 「いや、大家さんに解らない事があったら隣の部屋のカチューシャさんに聞け、って言われてて」 「なるほど。それじゃあ改めて自己紹介します。えと、わたしの名前は、エカテリーナ・マールィシェヴァです。それで、愛称がカチューシャで、みんなそっちで呼んでます。宗さんも、どうぞそう呼んで下さいね」 「エカテリーナ・・・マールィシェヴァ?生まれは何処なんだ?」 「えっと、ロシアですよー。宗さんと同い年でもありますし」 「・・・同年代だったのか。悪い、全然気づかなかった」 「いいですよー、よく言われますから・・・あのー、ちょっとお願いがあるんですけど」 「・・・何?」 「その、もっとフレンドリーな話し方でいいですか?こういう話し方はあんまり得意じゃないんです・・・」 「・・・ぷっ」 いかん、つい吹き出してしまった。 さっきから発音が上手いのに話し方がゆったりで途切れ途切れだったのは、無理して口調を変えてたからなのか。
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