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赤い月
私は今宵赤い月への生け贄にされた…
私がこの世に生まれた時からの決まっていた運命だったらしい…
親や兄弟や親戚は一滴も涙を流してくれなかった…
私に向けられていた笑顔は偽りだったの?
私は誰からも愛情を貰っていなかったの?
ねぇ?この籠から出してよ…
なんで出してくれないの?
あれ…?
なんだか眠たくなってきた…
・ ・ ・
冷たい風…
冷たい手…
私は誰かに抱きかかえられている…
赤い目…
まるで赤い月みたい…
綺麗…
私を助けてくれたの?
それともあの赤い月の使い?
どちらでもないの?
そう…あの赤い月は彼方自身なのね…
だから赤い目が綺麗なのね…
あら?私なにか可笑しい事を言ったかしら?
普通は恐がるものなの?
その目を見たら…
私は好きよ…
まるで血みたいで…
ねぇ?お願いがあるの…
赤い月の……いいえ、彼方の生け贄は私の肉親達にして…
私は見てみたくなったの…
あの人達の血の涙を…
もし私を生かしておくのが無理なら…
私の死体の傍であの人達を殺して…
あの人達の血の涙を見せて…
{最後の結末を決めるのは読んだ彼方自身…}
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