始まりが始まる

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パチパチパチ…。 拍手が聞こえてハッと顔を上げると、そこには一人の男の子がいた。 夢中だったから分からなかったけどもしかしたら、ずっとそこに立っていたのかもしれない。僕よりちょっと年上か同い年くらいの子は、拍手を終えるとスッと僕に歩み寄ってきた。 「君、音楽の心得でもあるのかい?すごく個性的な曲だったけど。」 黒髪で藍色のメガネが似合うその子はにこやかに笑いかけた。何で知らない人にこんなにニコニコと愛想があるのか不思議だ。 ん… ーー…? すごく個性的……?
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