竹馬と手品

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この日はたくさん夢を見たようだが、あまりに多様な内容だったためか断片的にしか覚えていない。 そのうち印象的だったものを挙げてみよう。       其の壱『竹馬』。   あれは50人は下らなかっただろう。 集団は学芸会の発表のように一列ずつ段が高くなって整列していた。 どこかの民族衣装を身にまとい、素足で立ち、手には竹馬を持っていた。   しばらくして民族音楽のような曲が流れ始めた。 するといっせいに竹馬に乗り、その場で足踏みするようにてタタン、タタタン…と。 さながら竹馬版タップダンスというべきか。   音楽と共鳴した集団の織りなすリズムは会場に響き渡り、観客の中には感動して涙を流す者もいた。   私は集団の中ではなく観客として傍観し、涙は流さなかったものの素晴らしいパフォーマンスに酔いしれていた。  
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