竹馬と手品

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其の弐『手品』。   褐色の肌をした男がいた。 故意に焼いたものではなく生まれ持った色。 手足が長く、かなり細身の体型。身長も190cmはあっただろう。 どこかの民族衣装をまとってた。頭、首、腰、上腕、手首、足首…至るところに決して煌びやかとは言い難い装飾品が施されていた。   男の前にはかなり使い込んだ坪があり、それを木の板数枚で覆い隠し上から布をかけて、坪は完全に見えなくなった。   なにやら呟いてから派手に布をめくり木の板を取り除くと、そこにあるはずの坪が忽然と消えていた。   再び木の板と布で元の形を作り呟くと…坪が戻っていた。   男は親切にも仕掛けを教えてくれた。 どうやら屈折率の関係とかで存在はするけれど見えなくなった…そうだ。   イマイチ納得できないまま「へぇ…」と頷いた私がいた。  
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