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克也が帰って来るのはいつも深夜。
鍵を開ける音。
電気を付ける音。
廊下を歩き台所のテーブルに鍵を置く音。
冷蔵庫を開け、飲み物を飲みまた閉める音。
その後スーツを脱ぎ、いつものスウェットに着替え、優香の寝ている隣に入って来る。それと同時にヒンヤリした空気と朝付けた香水とは違う、甘い女性ものの香水の香りが漂ってくる。
優香は心臓が締め付けられ、悲しみと淋しさが混じった気持ちのなかで涙を堪え目をつむり、眠りに落ちるのだった。
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