てめっ、この野郎っ!

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とりあえずは正拳を打ち込んだ。 その瞬間を垣間見る。 …吹っ飛ぶ。 その距離約10㍍。 「あっ!てめ!この野郎っ!」 背後から飛び蹴りかまそうとしてきた奴に対しては、     暗拳 つまりは裏拳を放つ。 当たるは腹。 だが彼は本気は出さない。 出したが最後、相手は気がつくのが2日後くらいとなるくらい重傷となるのだ。 壁に"当たる"程の力で流す。 "叩きつける"となると壁を壊してしまう。 …余談だが、修理代を家の人に払ったこともある。 「ったく…また学校遅刻じゃねーかよ。 毎度考えるなら俺なんかに構ってんじゃねーっつの。 …あっ!ナイフで切られてる!! 今月入ってコレ3着目なんだぞ!! 制服だってタダじゃねんだからな馬鹿野郎っ!!💢💢」 彼の名前はさとお。 …名字は無い。 ただのさとお、だ。 県立高校2年A組、無駄に進学クラスのトップに立つ頭脳を持っている。 …が、度重なる喧嘩の頻度に比例して遅刻が多い為、先生達からは問題児扱いされている状況だ。 かといって冷たい人間ではないのである。 義理人情・思いやり溢れる友人想いのアツイ男。 例えるならば、 公園でワンカップ片手に持ってる酔っ払いがいたとする。 絡んできたとする。 さとお以外の人間ならば、シカトするか説教するか、及び殴って逃げるか、だろう。 さとおなれば隣に座り、一緒に共感し、話をし、その酔っ払いと友達になってしまうのだ。 口下手だがアツく、特殊な能力をもった野郎の話がここから始まるのである。 「あっ!   宿題忘れた」
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