てめっ、この野郎っ!

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1時限目に遅刻したさとお。 放課に教室の扉を開ける。 …一時的に教室内の視線が集まった。 が、冷ややかな反応はない。 「はよ!さとお!」 「おはようさとお。1時限遅刻ならまだ早いな。 今日は人数少なかったのか?」 そう、不良学生ともとられるタイプだが、実はそうでもない。 真面目は真面目だし、勉強もしている。 ただ喧嘩に強いだけというだけなのだ。 そこで一人の男が声をかけてくる。 「よ。相変わらず馬鹿ばっかりやってんな~♪」 「五月蝿いよシンヤ。 今日喧嘩して遅刻したってワケじゃないかもしんないだろ?」 ため息混じりに話しながら自分の席に着く。 「制服、切られてんじゃん」 「…よく気付くなお前! 普通に外見からじゃ気付かないぞそんなトコ!」 「いや、何か違和感があったんだよ違和感が、な♪ まぁアレだ。 6丁の扇子ってヤツだわ」 「シンヤ君、数え方間違えてないか?w しかも無駄にオッサンギャグゆってんじゃねーよ。 フツーに第六感っていえ」 心から冗談を言い合える友達の一人、シンヤ。 校則が少し厳しいさとおの学校だが、こいつは金髪。 生徒指導の先生達からは疎まれている…… というワケではない。 あまりにもイケメンであるが、それは関係しない。 このシンヤの件は学校謎の1つに含まれる。 一説には学年主任のオバさんをたらしこんだとか、 また一説には教師の中に身内がいる、とか、様々な内容が飛び交っている。 指導部に行けばお茶が出てくるし、職員室にいけば先生達と輪になって雑談をしていたりする。 そう、本来ならば停学は免れないにもかかわらず… どういうことか、……問題児でない分、謎である。 これから闘っていく仲間の内の一人、火龍使い・シンヤ もう一つの潜在能力が開花するのは、また別のシリーズの話になる
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