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さとおは授業をフケているようだった。
ちょうどいい、とマロは机に突っ伏しているシンヤに声をかける。
…もとい、ドついたのだった。
「起きろやボケ」
左足でシンヤの背中を蹴り飛ばす。
ドスっと音がしてシンヤの背中が逆くの字に曲がる。
「……つ、ってぇなぁ!
誰だよこのクソ野郎ぉ!?」
「俺だよ」
「んだよ…マロか…
この僕ちんに何か用事でつか?
悪いけどマロぴんの用事は有料だかんな。
俺はカワイイ女の子の頼みしか無料で聞かない主義なんだ」
「はっはっは!
なればこそ君は俺の頼みを聞かねばなるまい♪
…って、別に頼みをしにきたワケじゃぁないんだがな」
「誰がカワイイんだよ誰がw」
「バカさとおの奴…なんなんだあのツラ」
シンヤがピクリと反応する。
無理もない。
同じコトを考えていた奴が他にいなかったからだ。
「アイツ…何か隠してやがるぜ」
「エロ本か?」
「あのねマロぴん?
君と他の人間を一色にしないほーがいいよ?
ま、俺は隠してるけどね♪」
「お前が持ってるの人妻・熟女ばっかりじゃねーか!!
まだOLとか看護婦さんのほーがいーわ!!」
「ちなみにさとおの奴はロリータちゃんだぜ?」
「マジかよ!Σ(゚Д゚;
気持ちワリィなアイツ!!」
…ついつい話が脱線してしまう。
シンヤとマロが絡むといつもこうなる。
…まぁ、仲が良い所以でもあるのだろう。
なにしろ保育園・小・中・高と同じ学校といった、俗に言う腐れ縁だからである。
さて、
気がついたら昼休みは終了1分前。
「ついつい脱線しちまったが、さとおは何処にいやがるんだ?」
「体育館じゃないか?
ホラ、前に松田が見つけた隠し部屋。
あっこでTVでも見てんだろーよ」
「…じゃぁ、帰りのHRには出て来るってワケだな?」
「マロも俺と同じコト考えてんだなぁ♪」
「そりゃ心配だから、な♪」
「OK。校門のトコに集合でいいか?」
「場合によってはだ、
俺はさとおを殴る」
勝手にしろ、とシンヤは呟きながら窓の外を見る。
心配なのは彼も同じ。
ドンヨリと曇った空を眺めながら一言、たったの一言を席にいないハズの男に話しかけた。
「お前、
ホントに……だよな?」
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