1.プロローグ

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「あ~あ~‥今日もイモブーのやつ吠えてたね~。。」 どこにでもありがちな田舎町の下校路を、 分かれ別れになるのを惜しむようにゆっくりと歩きながら、 一日の授業を振り返って、そう言ったのは タカちゃんこと、多佳子。 「毎日、よく怒ることあるよねー? ねえ!?」 と、言ったのは、真希。 愛称込めて、マキちゃんと呼んでる。。 「へ?…」 そして、わたし、優衣… 何のひねりもなくユイと呼ばれている。。 「まぁた、 聞いてないんだから~!ユイは~ ぽ~っと、考え事して好きな人でも出来たかなぁ~?」 どこを見ているのかわからない私の、 視界に潜り込むような体制で おっとり者のタカちゃんが詰め寄ってきた。 「タカちゃん知ってるでしょ?ダメダメ! ユイは男ギライの引きこもりじゃん。」 本当に、マキちゃんははっきりと物を言う。 たまにその一言は、私の小心者の部分に グサリと、突き刺さる。 今回もそう。 〈男ギライで引きこもり。。〉 その言葉はグサリと刺さったけれど、 本当によく、わたしのことを表している。 今まで、マキちゃんやタカちゃんが熱心に紹介してくれた何人かの〈いい人〉も、 ことごとく同じ理由で断った… ホントにごめんね‥って思ってる…。 でもね‥まだ‥昔の彼のこと‥引きずってるから… 今はまだ‥ 誰かと付き合うなんて、 考えられないよ。…
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