126人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ~あ~‥今日もイモブーのやつ吠えてたね~。。」
どこにでもありがちな田舎町の下校路を、
分かれ別れになるのを惜しむようにゆっくりと歩きながら、
一日の授業を振り返って、そう言ったのは
タカちゃんこと、多佳子。
「毎日、よく怒ることあるよねー?
ねえ!?」
と、言ったのは、真希。
愛称込めて、マキちゃんと呼んでる。。
「へ?…」
そして、わたし、優衣…
何のひねりもなくユイと呼ばれている。。
「まぁた、
聞いてないんだから~!ユイは~
ぽ~っと、考え事して好きな人でも出来たかなぁ~?」
どこを見ているのかわからない私の、
視界に潜り込むような体制で
おっとり者のタカちゃんが詰め寄ってきた。
「タカちゃん知ってるでしょ?ダメダメ!
ユイは男ギライの引きこもりじゃん。」
本当に、マキちゃんははっきりと物を言う。
たまにその一言は、私の小心者の部分に
グサリと、突き刺さる。
今回もそう。
〈男ギライで引きこもり。。〉
その言葉はグサリと刺さったけれど、
本当によく、わたしのことを表している。
今まで、マキちゃんやタカちゃんが熱心に紹介してくれた何人かの〈いい人〉も、
ことごとく同じ理由で断った…
ホントにごめんね‥って思ってる…。
でもね‥まだ‥昔の彼のこと‥引きずってるから…
今はまだ‥
誰かと付き合うなんて、
考えられないよ。…
最初のコメントを投稿しよう!