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ある日、アタシと義輝を含む男3人女3人で遊ぶことになった。
みんなで待ち合わせをし、集合するとカラオケに行ったが、義輝はアタシの近くに寄ろうとはせず、みんなと楽しそうにカラオケを楽しんでいた。
その後みんなで撮ったプリクラも、義輝はアタシの隣でも後ろでも無く斜め後ろのポジションについた。
「みんなにはバレないように」と、会う前に念を押したので約束を守ってくれたのだ。
みんなと別れた後、義輝は電話で「大丈夫だったでしょ?絶対バレてないでしょ♪」と、得意げにアタシに言った。
義輝は昔からキレやすくてキレたら周りが何を言っても止まらなかったが、アタシの言うことは何故かきいていた。
まるで凶暴な犬と、その飼い主みたいに。
他の人に、「殺すぞ!」なんて凄んでいた時も、アタシが「やめろよ」と睨みつけると「…はい」と大人しくなり、アタシとチラっと目を合わせて照れくさそうに「ごめんねっ」と言った。
周りから凶暴なイメージを抱かれていた義輝だけど、アタシには違った。
きっとそれが義輝の愛の形だったんだと思う。
だからといって、アタシは義輝を恋人として好きにはなれなかった。
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