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ハンクがすばやくサリアを抱きかかえると、それに続いてハットとサーフェスが2人を守るように前へ飛び出て救出の援護をする。
「くそ・・・これじゃ上手く狙えない・・!」
ハットたちの援護もあり、無事にサリアを建物の影まで運ぶ事ができた。
サリアは重症だった。
「サリア!大丈夫か?!俺だ、俺がわかるか?!」
ハンクがサリアに問いかけると、途切れそうな声でサリアが答える。
「ハンク・・、分かるに決まってるでしょ・・。そんなガキみたいに大声出すのは間違いなくハンクよ・・・。」
「そうだよ俺だよ!もう大丈夫だ、安心して・・。」
ハンクが泣きそうな顔でサリアを安心させようとする。しかしサリアはこう言う。
「わ・・たし。もう・・ダメみたい・・。」
ハンクが励ます。
「なに弱音吐いてるんだ!サリアがいなきゃ、敵のスナイパーを倒せないだろ?」
ハットもサリアを励ます。
「そうだ。お前がいないと俺達は進めない。ここで諦めてはダメだ。」
さらにハンクがサリアに、こう伝える。
「俺が相手の位置を必ず伝えるから。いつものように仕留めてくれよ。な?できるな・・・?」
ハンクの問いかけにサリアは、弱々しく答える。
「わ・・わかったわ・・。確実に・・伝えなさいよね・・・。」
サーフェスがハンクに言う。
「相手のスナイパーはサイレンサーを付けているんですよ?!どうやって敵の位置を・・・」
ハンクがぎこちない表情で微笑むと、
「お前らよく見とけよ、これが観測手の役目だ!」
そう言うとハンクは建物の影から飛び出していって、道の中央でピタリと止まった。
「ハンク!戻れー!!」
ハットが叫ぶが、戻ろうとはしない。
「何を考えてるのかしらあの男。まぁ獲物が鷹の目(Hawk eye)に留まったら、逃がさないわ!!」
ホークアイはハンクの頭を狙って引き金を引いた。
しかしハンクはニヤリと笑ってその瞬間微妙に体をずらし弾を急所から外した。
「何!?」
「ぐぁああ!!」
ハンクは痛みに叫ぶ、が、すぐに相手の位置を特定しようとする。
「この弾の入り方の方向、角度・・・」
すぐにハンクはサリアに伝える。
「現状から前方右上!距離50、ポイントFの29!!」
それを聞いたサリアは最後の力を振り絞りホークアイに鉛玉をぶち込んだ。
ホークアイもサリアもぐったりと倒れた。
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