競馬のきっかけ、感動を教えてくれたオグリキャップ

2/4
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
はっきり、あの頃自分がどこで何をしていたのか。とか、どんな環境にいたのか。ってことは覚えていない。 でも、あの白い馬体が直線を駆け抜け、大観衆に大きな声援を受ける姿に、小さいながらも衝撃を受けたものだ。 ……『オグリが勝った‼』 じいちゃんが叫んだ。それは、はっきり覚えている。 何故『馬』という、人間と違う生き物に、じいちゃんやみんなが熱くなっているんだろう。 それに気づくことにはしばらく時間がかかった。 …オグリキャップはアイドルホースだった。競馬人気は絶頂を迎え、馬券やグッズが飛ぶように売れた。それは、暫くしてから知ったことだ。 果たしてオグリの人気はどこにあったのだろうか? …ハイセイコーと同じ地方出身だから? …とてつもない強さ? …白い馬体? …恵まれたライバル関係? ふと振り返った時、ボクが感じたのは、それとは違うものだった。 …確かにオグリは強かった。 クラシック出走権利のない見知らぬ地方馬が、若くして古馬と互角以上に渡り合い、破竹の勢いで重賞を勝ち続ける姿に世間はハイセイコーをだぶらせたのであろうか…
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!