取るに足らない物語

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 彼の同類の鳴き声が、そこに加わるはずだった一つの命を置き去りにしてこだまする。  残ったものの大きさに、失われたものはかき消されてゆく。  彼の命の消失など、その世界ではなんということもない、穏やかな流れの一つ。  彼の存在から消失への変化は、世界のたくさんからたくさんへの不変。
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