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地面が平らになったところで、羽根付きのコルクがコツン、と頭に当たった。飛んできた方向には、僕より幼い女の子が二人、ラケットを持って立っていた。
「ごめんなさーい。強く打ちすぎちゃったのー。」
僕は羽根付きコルクを拾い上げ、女の子たちに投げ返しながら尋ねた。
「君たちは何をやっているの?」
「バドミントンだよー。」
「スポーツの秋だもん。」
「スポーツのアキ?」
「そうだよー。涼しくって気持ちいーの。お兄さんもやりたいー?」
「ありがとう、でも僕は他にやることがあるから…。」
「そうなんだー。じゃあねー。羽根とってくれてありがとー。」
「うん、じゃあね。」
女の子たちと別れ、また僕は歩き始めた。周りにはいろいろな人が、いろいろなスポーツをやっていたが、ナツで見たような激しい勝ち負けとは無縁に、皆ほのぼのと運動を楽しんでいるように見えた。
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