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家の中はいつになく散乱していた。
目に入るのは、脱ぎ捨てられた衣服や、ばらまかれた書類、溢れんばかりのゴミ箱。リビングに置かれたテーブルさえも、灰皿や菓子等で占領されている。生活感がある、と言えば聞こえは良いが、こんな状態ではゴミ屋敷も良いところだった。
持っていた鞄を当てもなく放り投げた健治は、足下に散乱しているものを乱暴にどかしながら、その場にあぐらをかいた。テレビをつけようとするも、リモコンが見当たらない。テレビの主電源を押しに行くのは、どうにも億劫だった。
「ふぅ……」
健治は小さく息をつき、ゆっくりと体を後ろに倒した。そのままぐいっと体を伸ばそうとしたが、背中に妙な違和感を覚え、そこに手を探り入れる。
「……あった」
健治はそう一人呟き、近くに見つけた座布団を頭の下に潜り込ませた。テレビをつけたはいいものの、時間が時間だけに、流れるのはニュース番組がほとんどである。若干の眠気を催してきたこともあり、興味の的を失った健治は、テレビに向けていた目をそっと閉じた。
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