1章

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         翌朝、目覚まし時計のけたたましいアラーム音で目が覚めた健治はがくっと肩を落とした。昨夜は知らぬ間に眠ってしまったようだ。そのために目覚ましの電源を切り忘れ、土曜日の今日も平日と変わらぬ時間に起きてしまった。      ひとまずアラームを止めた健治だったが、やはり起床する気にはなれずもう一度布団の中に潜り込んだ。すると間もなくして、今度は腹の音がぐぅと鳴りだした。彼の中で睡眠欲と食欲との葛藤が始まる。少しの間健治は布団の中でうずくまっていたのだが、結果後者に軍配が上がったようだ。まだ暖の残るベッドを抜けた健治は、空腹感を満たすために冷蔵庫へと向かった。        
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