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‐千佳子SiDe‐
は?
こんなの夢に決まってんじゃん!!
私の夢に勝手に出てこないでよ――!
「私の頭の中にあんたがいるってコト自体が超最低だっつの!!」
そう男に叫んで出口に向かって走りだした。
とにかくコノ意味不明な男から離れたくて―…
「なんなのよアイツ!!最初っから意味分かんないコトばっか言って…
ほんとムカつく!!」
私はそのまま道を走り続けながらつぶやいた。
いらいらする。
変な事ばかりの夢だ。
まぁ夢なんだから、不思議な事ばかり起こるのは仕方ないんだけど…
それにしても自分が死ぬ夢なんて…いやな想像力だ…
―――‘仲間入り’
ケントの言葉が頭の中に響いた。
仲間って…
. .
幽霊の仲間入り…?
「…馬鹿みたい!」
あわてて自分が考えていたコトを頭から消した。
やっと落ち着いてきたので走るスピードを少しずつ遅める。少し息があがっちゃった。
しずみかけた太陽と雲のマーブルに光る夕焼けが綺麗だ。
すぐに暗くなるだろな。
いつもならなるべく早く家に帰るようにしてるんだけど……
これ夢の中だしね。
家に帰っても仕方ないだろーな。
そうだよ!!
夢なんだから何やったって怒られないよね♪
どおせ家に帰っても夢のお母さんがいるだけ…
“お母さん”
突然病院の白い部屋にいたお母さんを思い出してしまった。
泣き叫ぶ母親の姿はなかなか頭から離れなかった。
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