母からの告白

4/6
前へ
/88ページ
次へ
「次の方どうぞ~」 甲高い声の看護師が診察室に案内してくれた。 診察室に入るとそこには優しそうな、女の先生が微笑んで待っていて私に少しの安心感を与えてくれたのを覚えている。 「どうしました?」 と聞かれると思っていたが、私を見るとすぐに医者はこう言った。 「そのシミは…?」 まただ。いつも皮膚科やら内科に行くと、こう聞かれる。私は母に幼少時代に言われた通りに 「あ…これは生れ付きです。」 といつものように応えた。 私は体に沢山のシミがある。 顔は黒ずんで腕・胸・お腹・太もも・ お尻・ふくらはぎと 数えたらキリがないぐらい…。 体に沢山のシミがある。 「生まれ付き」 私の言葉を聞くと殆どの医者は 「……そうですか。」 と少し困ったような顔をして それ以上、聞かなかった。 でもその先生は違った。痒みの診察をしてもらい、私だけ外に出された。  なんなんだろ… そう一瞬は思ったが、その時の私は、あまり深く考える事はしなかった。。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3891人が本棚に入れています
本棚に追加