母からの告白

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「体のあちこちに、できものができるの。小さいものもあれば、大きくなっていくのもあるの。」 震えた声でそう言った。 泣きたい私の気付いてくれたのか 母は私に必死に 「でも思春期、中学を卒業したらもう今以上シミは、でないから大丈夫!来年卒業でしょ?それまで気を付けて体の様子を見ていこう?ね?ね?」 と『大丈夫』と繰り返して母なりに勇気をくれたんだと思う。 でも私は 何を聞いても受けとめたくなかった。 誰でもいいから嘘だと言って…。  私は普通の子って言ってよ。  なんで私なの?  なんで?  なんで??  苦しくて苦しくて…  でも泣けなかった。 母が泣いているから。 それに泣いたって病気は治らないから。
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