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灰色の空
灰色のビル
灰色の信号
灰色のオフィス
梅雨の雨は今日もしつこく降り続き、心は湿って嫌になる。
子供の頃、雨って青いクーピーで書いてたけど、大人になってみると、こんなにも灰色だったんだと思う。
紡錘型の雨粒なんて見えたこともないし、秒速4320万mで落ちてくる雨粒を目で捉えられるはずもない。
夏場の雲は上空5000mに出来ると聞いたことがある。
ということは、今降っている雨たちは生まれて一秒と立たずにアスファルトに叩きつけられ、消滅していくのだ。
そんなに急ぐことないのに・・・。とか思いつつ、度々空を窺う自分に苦笑した。
別にどこかに遊びに行きたいんじゃない。ただ、早く帰りたくって空を見る。
何だか物足りなくって、時間はそれなりにあって。
何の為に働き、何の為に生きているのか、私にはもう、分からなくなっていた。
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