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火山の奥地。
焼けつく程の熱風渦巻くこの地を何時しか、『決戦場』と呼んでいた。
「はぁ…はぁ…やりましたね、カナデさん」
「はい。…なんとか」
二人のハンターの前には、黒光りする刺や甲殻に覆われた巨大なモンスターが倒れていた。
「アカムトルム…」
その巨体に改めて驚愕しているハンターに、先程カナデと呼ばれたハンターが声をかける。
「クルースニックさん、剥ぎ取り、剥ぎ取りっ」
「あ…!いっけねぇー」
これ等ハンターの仕事は、全てギルドと呼ばれる組織にて、管理運営されている。
倒したモンスターからは、皮や鱗、臓器に至るまで剥ぎ取りを許可されているが、個数は、各モンスター毎に定められていた。
「これだけデカイんだ。もっと剥ぎ取らせてくれても良いのに。」
クルースニックがボヤキを入れると、カナデが合点して応える。
「それは、言えてますね。私たちは命掛けて討伐してるんです。ギルドのヤツラ解ってないんですよ!!」
「しっ。そのギルドの方々がお目見えですよ。」
クルースニックがニヤリと笑いながら、嫌味を含んだ言い方をした。
大きな羽飾りの紅い帽子に紅いスーツ姿の男を先頭に、胸に紋章の入った鎧を纏った男が数名近付いて来た。
クルースニックの言う「ギルドの方々」である。
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