第2章

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ここは雪がしんしんと降り積もる街のとある一角… 時刻は夜中を回っているが街灯のおかげで明るく歩くのに苦労はしない………いや夜中には多少明るすぎなくらいだ なにせお祭り前らしくあちらこちらに飾り灯が吊るしてある そんな眩しさを抑えるためか深くフードを被り目立たない麻色のコートを着た人が歩いていく… 「………ここも外れかな」 「さぁどうだろう?もう少し奥まで行こうよ」 「寒い中?」 「夜にしようって言ったのはそっち」 「…確かに」 その人は確かに独りで歩いて行くのに声は2人いた… 「あっ誰かくるよ?女の子」 「わっびっくりしたぁ」 「すみません大丈夫ですか?」 「はい.まさか夜中に人がいるとは思ってなかったので…観光ですか?」 「えぇまぁ飾り街灯が綺麗でしたので狐に捕まったかと思いましたが人でしたね」 「………狐に捕まるのは私です。」 「えっ??」 「私…今年の神子なんですよ」 「あぁお祭りの姫神子様でしたか。確かにあの神子は[狐が地に落ちた神子を連れて月へ帰って行く]という神話でしたね」 「えぇですから来週から山に入るんです…」 「…山に入りたくはないんですか?神子さんなのに」 「………すみません。神子がこんな事いっちゃダメですよね。ちょっと怖いだけなんです」 「お忙しいですか?良ければもう少しお話を聞かせて下さいな」 「えっでも…」 「人が泣きそうになってるのにほっとけませんから…街の人には言えない内容じゃないですか?では通りすがりの私に話てみませんか?…」 「でも」 「私の名前はウェナといいます。西国の者です」 「西の??まぁこんな北国にようこそ……わたしは今年の姫神子…楓様を演じる由紀奈といいます。」 「では由紀奈さん、紅茶はお好きですか?」
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