新たなるトビラ

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「いぇ。結構です」 雫はきっぱりと断る。 が、 「良いじゃん!行こうよ~」 このバカ共がそう簡単に引き下がる訳がなく、ついには雫の手を掴んで、強引に連れていこうとする。 はたから見れば、誘拐だ。 「ちょっ! っ!」 「おぃ!離してやれよ!」 雫が痛みで目を瞑った時に声がする。 (壟? 良かった~) 雫は壟の姿を想像して、目を開ける。 が、そこにいたのは……… (壟じゃ…ない…?) 雫はそう感じた。 顔は見えないが、そう感じた。 「何だよお前は~?」 バカが男に近寄る。 「うるさい。バカ」 男は表情を変えずに言う。
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