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「そしたら、壟は何かと闘っていた。
嶐慶も、龍牙さんもいたわ。
そしてあなたは勝った。
その後、龍牙さんと話し合い、別れた。
その話しの内容だけははっきりと覚えているの……」
雫は涙をこぼしながらポツリポツリと言う。
「……そうか…。
そうだな。
龍牙は死んだ。
だけど雫のせいじゃない」
壟は雫の瞳を見ながら言う。
「運命だったんだ。
俺の師、羅刹が言ったんだ。
全てはこの世界が誕生する前から決まっていた……ってね。
確かにその通りかも知れない。
俺が死ななかったのも、決まっていた。
龍牙が死ぬことも決まっていたんだ。
細かいことなら自分の力で多少は変えられるかも知れないけど、大きなことは変えられないんだ」
壟はそう言い放ち、雫を抱きしめる。
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