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アキラ
「へえ・・・半分で済んだんだ、白旗でも揚げたのかい?」
アキラは相変わらずエドワードの方を見ずに、モニターと睨めっこし、何かを解析しながら会話する。
「確かにまだまだ不出来な動きだけど宇宙空間ならかなり効率よく動けるだろうし、装甲が固いから戦闘機のバルカンでは落とせないだろうね。」
エドワード
「助けられたよ。」
アキラ
「助けられた?一体、誰が助けるんだよ。」
エドワード
「D・A・M・Sが動いた。
敵のMobileArmsを薙ぎ払い、二機のMobileArmsと一発のビームライフルで数百の艦隊を押し返した。」
アキラ
「D・A・M・S? 何です、それ?」
エドワード
「Defense Assistance Mechanism The SpaceUnion
宇宙連合防衛支援機構
そうか、君はこの組織を知らないんだ。
じゃ、”GENIMAS”なら解るかな?」
アキラのキーボードを弾く指が止まり、驚きの顔でやっとエドワードの顔を見た。
アキラ
「GENIMASって・・・そんな! 」
エドワード
「だから、何時までも彼等の世話になるわけにはいかない。
君だけが頼りなんだ、頼むよ。」
エドワードはそう言い残し、部屋を出て行った・・・が、直ぐに扉が開き、顔だけ出し、
「一応、今の話は内緒ね。」
と、補足して姿を消した。
アキラ
「サトル・・・生きていたのか・・・?
万が一使い方を誤れば世界は消えるんだ。
サトル以外考えられない。
エドワードが言う通り、こちらも早く完成させなければ。」
アキラは呆然とモニターを眺め、呟いた。
アキラ
「早く、EXASを完成させないと。」
エドワードは車に乗り込み、ニヤリとしながら呟いた。
「GENIMASの名前を聞いて顔色変わったな~
まあ、無理も無い、あんな事故が有ったから彼等が生きてるとは思っても居なかっただろう。
良い刺激になるといいがな。」
エドワードはそう言い、研究施設を後にし、本部に戻った。
それから二週間後、地球連邦のMobileArmsの一号機がロールアウトした。
未だ試作機であるその機体はXMA001P”EXAS(エクザス)”
パイロットは試作機と言う事もあり、アキラ・アルガード自身が志願、基本データを生産ラインに渡し、量産ラインの作成に掛かり、EXASのデータが揃ったらそれを反映し、量産型の生産に掛かる
アキラは一隻の戦艦にEXASと乗り込み月に上がる支度をしていた。
アキラはシートに身を沈め、呟く・・・
「サトル、待ってろよ・・・」
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