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「総督、エドワード総督」
息を切らして、総督室のインターフォンを鳴らしたのは宇宙統一政府、地球連邦軍、准奨、イアン・マチスであった。
色黒で体格のいい、厳つい顔立ちの中年男性である。
エドワード総督
「何だ、騒々しい、入れ。」
イアン准奨
「大変です、木星への資源採取輸送艦”ムサシ”がロストしました。」
エドワード総督
「何?通信器の故障ではないのか?」
イアン准奨と話してるのは、宇宙統一政府の総督”エドワード・デリオ”である。
健康的な褐色の肌で黒髪、金色にも見える瞳、正に眉目秀麗である。
非常に切れ者であり、五年前、宇宙統一をするのにかなり力を使い、僅か35歳今の地位を築いたのだ。
イアン准奨
「オペレーターの話では間もなく木星に到着すると言う所で今迄に無い通信障害が発生したのち、艦のオペレーターの叫び声が聞こえた後、通信も識別シグナルも途絶えたとの事です。」
エドワード総督
「事故か?」
イアン准奨
「に、しては、通信障害出る迄は何とも無かったみたいですが・・・
叫び声が出る前に”何だあれは”と言う声も入っているみたいです。
まさか、海賊?」
エドワード総督
「海賊にしては撃沈では手が荒いし、奪う物も無くなってしまったら襲う意味が無いな・・・
ましてや積み荷は空だろ?」
オペレーター
「緊急通信、電波ジャックです。
全宇宙放送です。」
イアン准奨
「何だと?」
エドワード総督
「モニターを点けろ!」
「全宇宙の皆様、初めまして、木星圏コロニー国家”トラニシオン公国”の総督”グレン・カーター”です。
今日は皆様にご報告したい事がありまして、この様な放送をさせて戴きました。」
モニターに映ったのは金髪で色白、碧い瞳のフランス人の様な整った顔立ちの若い男だった。
エドワード総督
「とうとう、悪い虫が動き出したか・・・」
イアン准奨
「と、言いますと?」
エドワード総督
「テロか、独立か、独裁だよ。」
グレン
「今、宇宙統一政府とは言うものの、実権を握っているのは”地球連邦政府”であり、火星圏も木星圏も地球連邦の征圧で動いている。
我々は断じて許さず、木星圏コロニーを独立国家とし、地球連邦政府に制裁を与える。」
イアン准奨
「な、何を勝手な!」
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