腐ったオナゴ

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それ以来男の人が信用できなかった。 声をかけくる男はいつも味気ない言葉で返し、寄ってきた男は全て払ってきた。 何も信用出来ない。いつの間にか溜め息しか出なかった。 「はぁ…」 今日も溜め息が漏れる。 あの日からどれぐらい溜め息が増えたかは数えていない。数えるのさえめんどくさい。 「なぁーちょっとええかな?」 「何ですか?」 味気なくかつ敵意の声を出していた。 「このあたりに○○高校ってあんねんけど知らんかな?」 このあたりでは聞かない言葉遣いだった。 「もしかしたら○○高校の生徒や思って声かけてんけど知らん?」 どことなく似ていた。あの人に 「ここを真っ直ぐに行ったら交番があるのでそこで詳しく聞いてみるといいんじゃないですか?」 素っ気なく、そう返した。早く帰りたい。私の頭の中はそれでいっぱいだった。
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