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もう少し、というところで急に重みが増した。
まさか!?――と、リクヤが下を覗くと女性がぶら下がっている。
このままでは落ちるのも時間の問題。
下の連中もそれを望んでか、ピィーピィー騒いでいる。
「腕を掴むから…なんとか縁につかまって!!」
「ぐ…ぅ……」
苦しげな声の後に見えるのは白く細い指。
彼は逃すまいと、見えた先、その腕を掴んだ。
彼女は無様でも生きる事を望んだ。追い詰められても生きる事を望み続けた。
故に彼に助けられた。
彼はハンターだ。生きる為にしている。確証のない無謀はしない。だが直感に従った。故に彼女を助けた。
偶然か必然か、何であれ彼等は出合った。
運命の歯車は今動き出す。
『出会い、動き出す運命』完
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