始まりへの依頼

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朝もやが立ち籠め、樹々の天井から所々差し込む太陽。 ――そんな自然の芸術が織り成す世界を、 「ふぁ~あ、ちょっと早く起きすぎたかな」 身の丈程の刀を背負う一人の少年が歩いていた。 彼の名はリクヤ・ラークライト。 年の頃は15、6歳、しかし、その顔立ちは幼さを残し、身長も平均より小柄。 一か月程前ハンターになったばかりの駆け出しだ。 今回の依頼は『厳選茸の納品』、そのためにここ、樹海に来ている。 ――とはいえ既に依頼物は集めてしまったのだが。 「さてと時間もあるし、今日はもう少し奥まで進んでみようかな」 この気紛れが後の運命を大きく動かすことを彼はまだ知らない。
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