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期待していたわけではないが、もしかしたら――と、いう考えも少なからずあった。
「そう…か」
ならば、これ以上は話す事もない…か。
「礼がまだだったな、助けてもらった上に傷の手当てまでしてくれて、有難う…世話になったな、そろそろ行くよ」
そう言って、立ち上がり歩き出したのだが、
「あ、待ってください」
呼び止められた。
私がまだ何か?――と、振り替えると。
「どこか行く宛はありますか?」
――そう聞いてきた。
私が――いやないよ、と応える。
すると、
「じゃあ、一緒に僕の村に来ませんか?」
こんな事を笑顔で聞いてきた。
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