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どこからそんな話に――、そう言いたげに怪訝な瞳を向ける。
そんな視線を受けて少し慌てた様に少年は言葉を繋ぐ。
「あ、えっと…村のババさ……村長なら何か知ってるかもしれません」
それに――と付け足し、
「村に住める様に村長に頼んでみます」
それを聞いた彼女は片手を顎に添え――フム、と考える。
正直この姿で元の塒(ねぐら)に帰るのは辛い。
岩山の崖に洞穴があるのだ。
かと言って森で生活する術(すべ)も知らない。
そう考え、出した答えは
「……わかった、君は私を助けてくれた。信じて厚意に甘えさせてもらうよ」
そう言って、妙齢の女性は微笑んだ。
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