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「うっ…あ!」
今彼女は大きく吹き飛ばされ背後の崖に転がる。
先の均衡を破った一匹は決定打と呼べた。
今こそ原因の足の傷は出血こそ止まったものの、戦況は傾き囲まれ、散々なぶられた体はすぐには動きそうもない。
しかしおかしなな話だ。
何故すぐに殺さないのか、捕って食うつもりなら均衡が崩れた時点で首をとるはず。
そんなどうでもいい疑惑は群れの中から出てきた奴を見て分かった。
譲っていたのだ、王に。
他よりもやや大きく手には剣ではなく太い棍棒、その頭(と言うよりマスク)には火の点いた処遇肉焼きセット。
躍り出た王は数度左右に跳ねると女性に向かって駆け出す。
もはやこれ迄か、悔しいがどうしようもない。
彼女が諦めかけたその時!
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