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「目を閉じて!!」
頭上から叫ぶ男の声が彼女の耳に入った。
何だ?――と、女性が顔を上げると視界の中を何かが通り過ぎる。
何かは判らないが、兎に角その声に従うことにする。
次の瞬間バン!という音と共に瞼を通しても判る程の閃光が生れた。
「早くロープを!!」
そう言われ、目を開け彼女が左右を見ると一本の縄が目に入った。
一体どこにあったのか、女性は残る体力をふり絞と無我夢中に縄を取り急いで右腕に巻き付け両手で強く握る。
それを確認すると男性はロープを握る腕に力を込め引っ張り上げらた。
女性も加えられる断続的に加わる力にあわせて壁を登っていった。
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