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  急行の電車が通過して行く音で一時的に聴こえなくなった音楽が再び息を吹き返す。 いつも聴いてるけど飽きが来ない音楽をひそかに楽しんでいると、見事に邪魔が入ってくれた。 イヤホンから流れてくるお気に入りの音楽に紛れて、携帯の初期設定で鳴る単調な電子音が聞こえてきたのだ。 あいつからのメールだ。   「ねぇ、メール来たみたいだよ」 「大丈夫、分かってるわ」 携帯を制服の右ポケットから取り出して開く。 「ついに、来た・・・・・・」 メールの内容を確認して思わず声に出してしまった。 「どうしたの?」 「キナ、見る?面白いメールが来たわ」 私が差し出したディスプレイをキナは覗き込む。 その横で、最寄り駅に乗り換え無しでいける数少ない電車が発車してしまったけど、 まぁ、いいよね。  
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