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求めていた薬草は深く根ごと堀りあげられ、麻袋に納められた。
元はジェイリのものであった馬に、その麻袋が乗せられる。
誰も口を聞く者はいなかった。
夜が訪れた森に新たに分け入る危険を回避し、クヌートは来た道を戻る事を選んだ。
これ以上の被害を出してはならない。
一刻を争う事態であることは重々理解していたが、薬草を持ち帰る事が最優先事項だった。
隊列が全滅してしまっては、アルフレドを助けることはできない。
鉈である程度の枝を刈り、数人の人馬が通ってきた道は、さすがに馬を駆けさせることまでは無理だったが、騎乗しながらの帰還が可能な程度にはなっていた。
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