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全員が炎を点したたいまつを持ち、夜に活動する生き物達を遠ざける。
クヌートと同じ馬に騎乗していたユーリアが、ぽつりと言った。
「王の命を助けるために、失われる命もある……。王は、お守りせねばならぬ……」
クヌートは周囲への注意を払いながら、ただ黙ってユーリアの独り言のような呟きを聞いていた。
「命を落とす者もつらいが……命を賭して守られる王も、おつらいな……」
クヌートはユーリアを見た。
ユーリアはぼんやりと馬上で身体を揺らしながら、前を行く兵士の馬を眺めている。
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